スピーカーの設置で低域の特性が良い場所は?

目次

はじめに

はじめに逃げを打っときますが、私は音響工学など学んだこともないただのオーディオマニアです。 したがってこれから書くことは「素人の考えた謎理論」の域をでません。

スピーカーは置く位置によって音が大きく変わります。ではどこに置けばよいのか? 低音だけを考えていきます。(何Hz以下が低音かという問題はアイマイなまま進めさせてください)
普通のスピーカー(低域と中高域が一体)では低音だけ別の場所に置くことができないのであまり参考にならないと思います。
サブウーファを使えば超低域だけを別の場所で鳴らすことができますが、フツーのウーファ帯域も置き場所で大きな差が出ます。
低域にとって最適な位置と中高域にとって最適な位置が同じとは限らないのです。

部屋の中と外では何がちがう?

部屋の中と建物の外、平地のど真ん中でなにが違うのか? 当たり前ですが壁と天井の有無です。 地面(床)はどちらにもありますけど。

部屋によって音が変わる原因は主に反射

壁があると音の一部は吸収されます。また一部は通り抜けて外に漏れていきます。 そして残りの音は反射することになります。 この反射によって周波数特性(位相特性も含む)が大きく変わることになります。

反射の影響を減らす

反射の悪影響は吸音すれば軽減します。 しかし中高音の吸音はある程度できますが、低音の吸音は困難です。吸音材の厚みがかなり必要になってしまいます。

置き場所で変えられるか?

吸音しないで置き場所だけで反射の悪影響を減らすことができるのか? できるんです!(ある程度ですが)

前後の壁だけで考えてみる

前後の壁で一次反射だけ考えてみます。 てきとーなシミュレーションなので雰囲気だけ感じ取ってください。 fig01 この位置だとスピーカー後面の壁からの反射とリスナー後方の壁からの反射がほぼ同じ位置になります。 インパルス応答(IR)はこうなります。 fig02 周波数特性です。(20-200Hz) fig03 リスナー位置はそのままでスピーカーの位置を変えて反射の影響減らすことを考えます。

スピーカーを壁にピッタリくっつけます。 インパルス応答はこうなります。 リスナー後方の反射音の時間遅れはそのままで、スピーカー背後からの反射音の時間遅れは減って直接音に近づきます。 fig04

周波数特性はこうです。 fig05

壁に近づけたほうが少し良好です。

こんどは時間軸で見ていきます。 60Hz中心のバンドパスフィルタを通したこの波形を入力します。

fig06

壁から離した場合です。 fig07

壁に近づけた場合です。 fig08

さて、どちらが良好か? 立ち上がりや減衰を見てください。

スピーカー後面の壁に寄せることでスピーカー後面の反射の悪影響を蹴らすことができるのです。(低音にかんしては)

6面で考えてみる

同様に直方体の部屋として6面を考えると 部屋の隅の底面に置けばスピーカー背面の壁、側面の壁、床の3つの面の一次反射の影響が減らせることが解ります。 部屋の隅にくっつけたとしてもスピーカーのサイズもあって壁からはすこし離れるので中高音では反射の影響が避けられませんが、波長の長い低音ならば壁からの距離が無視できるようになります。

結論: 部屋の隅に置け!

まあ、実際には部屋の隅が最適ではなかったりしますが、迷ったらとりあえず部屋の隅から試すのが良いとおもいます。 ちなみに私のところの現状のセッティングはウーファーを部屋の隅の方に、中高音は音場を考えて壁から離しています。 もちろんタイムアライメント・位相・レベルを合わせるのは必要です。 クロス周波数は200Hzにしていますがこれは最適でない可能性があります。