イコライザは低域の質を改善するか?
イコライザで低域の量を変えられても質は変わるのか?
音響工学を学んだことのない「素人の謎理論」です。
目次
はじめに
前提として 低音の質は「時間軸で見てオリジナルと近い波形のほうが質が高い」ということにします。 SN比や歪み率も大切ですがとりあえず過渡応答を考えていきます。
低音再生の質を向上させる方法
- イコライザ
- スピーカーの設置位置
- 複数ウーファー
などが考えられますが 今回はイコライザについて考察します。 イコライザは量の調節にはなるけど質が低下するのでは?と懐疑的な人も多いかと思います。 さてどうでしょう。
イコライザをかけるとどうなるか?
周波数特性がイコライズされるんです!(進次郎構文)
イコライザを作ってみる
元の周波数特性
Fig.01
試しに作ったイコライザの周波数特性
Fig.02
補正後の周波数特性
Fig.03
補正フィルタですが「鋭く深いディップ」は無視します。 そのために適度に平滑化した結果に対して補正します。 この辺のさじ加減によって効果が違います。 あまり欲張ると副作用も大きくなります。 これをある程度精密にしようとするとアナログでは無理です。 デジタル、それもFIRフィルタの出番となります。 製品ではトリノフとかStorm Audioなんかがそうです。 持ってないのでフリーソフト(GNU Octave)を使って計算します。 各社、どういう補正をしているか、細かいとこは秘密にされているので、トリノフともStorm Audioとも違う補正になります。 今回は効果を判りやすくするため、ちょっと無理目の補正をしています。 FIRで作ってますが位相特性は「最小位相」、つまり「普通」のイコライザです。 位相が変化しないように「直線位相」にしてはイケマセン。
低音の質は良くなったのか?
時間軸で見ていきましょう!
入力波形はこれです。
Fig.04
70Hzの場合補正前の時間軸
Fig.05
最小位相で補正後の時間軸
Fig.06
直線位相で補正後の時間軸
周波数特性は最小位相と「全く同じ」です
Fig.07
100Hzの場合
補正前の時間軸
Fig.08
最小位相で補正後の時間軸
Fig.09
直線位相で補正後の時間軸
Fig.10
どれが入力波形に近いか、目で見て比べられます